市川拓司作品 必読の3冊

はじめに
市川拓司さん。
私が一番小説を読み返している小説家。
作品は概ね「愛」がベースとなっているが、同時に「死」がもう一つのテーマになっている。作風はホラーであったり、サスペンス色があったりもするが、SF・ファンタジー的要素を含ませた作りを最も好むようである。(ウィキペディアより)
彼の小説の特徴は、恋愛を取り扱いつつ、ファンタジーの世界に読者を誘うことであると思います。
内容は少し現実離れしていながらも、独特の世界観に引き込まれます。
この世界がイマイチ理解できないという言葉をたまに聞きますが、
私は、この世界観が大好きです。
今回紹介する3つの小説は、いずれも映画化されています。
映画化されているから良い作品というよりも
良い作品だから映画化されている
ということだと思います。
そんなことで今回は、
私が大好きな市川卓司さんの小説おススメ3選を紹介。
- 恋愛寫眞
- いま、会いにゆきます
- そのときは彼によろしく
恋愛寫眞
カメラマン志望の大学生・瀬川誠人は、嘘つきでとても謎めいた女の子・里中静流と知り合う。誠人はかなりの奥手だったが、静流とは自然にうちとける。そして静流は誠人に写真を習うようになる。やがて誠人は静流に思いを告げられるが、誠人にはずっと好きな人がいて、その思いを受け取ることはできなかった。一年後、卒業を待たずに静流は姿を消した。嘘つきでしょっちゅう誠人をからかっていた静流だったが、最後の大きな嘘を誠人についたまま…。(「BOOK」データベースより)
この小説、少なくとも20回は読みました。
私の中の大ベストセラーです!
話に出てくる、
大学の食堂・大きな公園・国道の横断歩道・写真を現像するお風呂・写真展・ハイキングなどの風景が
素晴らしい文章のおかげで目に浮かんできます。
また、
- 「ちっとも甘くないザッハトルテみたいな横断歩道」
- 「好きになった人が、好きになった人を、好きになりたかったの。」
- 「私はあの人が好き。それだけで成り立つなら、すごく簡単なことなのに」、「それなら、世界の恋は全て成就するわ」
といった、魅力的な一説にも出会うことができます。(私は2つ目がお気に入りです。)
映画第一弾では、広末涼子、 松田龍平
第二弾では、宮崎あおい、玉木宏といった有名どころを揃えて上映されています。
また、大塚愛さんが主題歌を歌っています。
しかしながら、小説で読んだときに何とも言えない切なさは、早々感じることはできません。
是非、小説で読んでほしいなと思います。
その後、映画がおススメ。
映画では、黒木メイサがみゆき役にとてもハマっています。
いま、会いにゆきます
父子家庭に起こる愛の奇跡――。「愛している」という感情をこれほどシンプルに、しかし深く表現した小説は古今稀でありましょう。限りない優しさに魂が洗われるような、新たなるベストセラー恋愛小説の誕生です。
これほど哀しくて、幸せな涙を流したことはありますか? 「愛している」という感情をこれほどシンプルに、しかし深く表現した小説は稀有と言えるでしょう。父子家庭に起こる愛の奇跡―わずか6週間のその奇跡が、父に子に、永遠に生きつづけるかけがえのない心の宝を与えてくれます。アーヴィング、ヴォネガットをこよなく愛し、リリカルだが湿度のない、軽いユーモアを含んだ語り口が、静謐な慈しみに満ちた愛情の物語をあざやかに描き出します。読者の一人一人が心の奥底で共有できる記憶が、この物語にはあるはずです。哀しいけれど幸福な、最高の恋愛小説です。(「BOOK」データベースより)
言わずと知れた、「いま、会いにゆきます。」
個人的に好きなシーンは、
- 主人公の巧が充電切れになり、息子の佑司にアイスクリームを買ってもらうシーン
- 息子の佑司が「忘れると、何回も感動できるんだね。」(みたいなことを言うシーン)
映画・歌・ドラマ共に、私と同世代に人なら、だいたいの人が知っていると思います。
主題歌はオレンジレンジの「花」
映画の印象がかなり強い作品ですね。
しかし、小説を読んだことがない人には、是非読んでほしい。
文章が優しく、とても癒される作品です。
北海道のひまわり畑も印象的な場所ですよね。
そのときは彼によろしく
小さなアクアプランツ店「トラッシュ」を経営している主人公、遠山智史のもとに、ある夜、森川鈴音と名乗る美しい女性が現れる。彼女は智史に、行くあてがないからアルバイトとして雇って店に住ませてくれるよう頼む。智史は少し怪しく思ったものの、彼女に奇妙な懐かしさを感じたため断らなかった。
一方で智史は、結婚紹介所で知り合った美咲さんと何度かデートを重ねていた。智史はデートのたび、13歳のときに知り合った初めての友達との出会いから別れまでについて話していた。そのときは、女性が苦手な智史でも、まるで13歳に戻ったかのように活き活きと出来た。
ある日智史は、鈴音が13歳のときに出会った友達、滝川花梨だと言うことに気づく。そのことを彼女に伝えると、やっと分かってくれたのね、という言葉と表情をみせた。そのとき智史は、ここに住ませて欲しいと頼まれた時の奇妙な懐かしさの正体を知った。しかしその直後、彼女はもうすぐここを出る、と言い出した。理由を聞いてもなかなか本当の事を教えてくれない。だが、彼の中でどんどん膨らむ彼女への形にならない思いが、彼を動かした…。(ウィキペディアより)
この作品に出てくる、アクアプランツ店の説明が、非常に興味深く、
この本を読んでから水草屋さんに興味が出て、たまに行くようになりました。
相変わらずの、奇妙な設定の話なのですが、やはりこの世界に引き付けられます。
映画の出演者は、長澤まさみ・山田孝之・塚本高史・国仲涼子・北川景子という名だたるメンバーが揃っています。
先に紹介した2作品と違い、
ハッピーエンドなので、幸せな気持ちで読了することができます。
切ない本が読みたくない人は、この作品をおススメします。
おわりに
いかがだったでしょうか?
書いていったら、なんか映画の紹介みたいになってしまいました。笑
映画も魅力的ですが、
市川拓司さんの魅力を味わってもらうためには、小説を読んでもらうのが一番です。
特に、「恋愛寫眞」おススメです。
今回はここまで。お読みいただきありがとうございました。
ではまたほなね!