【3分で読める】オーストラリアの保健体育教育制度まとめ

(編集中)
この記事ではオーストラリアの保健体育制度についてまとめていきます。
オーストラリアだけでなく各国についてまとめていくシリーズにする予定ですのでもしよかったら他の国についても読んでみてくださいね。
比較することで見えてくることもありますよ。
保健体育に限らず、各国の教育制度はその国が何を課題とし、国民にどのような能力資質を身につけさせたいと考えているかで変わってきます。
だから、このシリーズではまずは各国が保健体育上のどのような課題を有しているかについて整理し、その上で実際にどのような施策がされているのかをまとめていきます。
また、調べる中での気づきについてもメモ程度に書いていきます。各国の保健体育教育制度の概略を知ることに役立ててほしいと思います。
オーストラリアの抱える保健体育分野の課題
保健体育分野の課題というのは、途上国・先進国関係なく存在します。
保健分野では伝染病、虫歯や視力低下といったものが伝統的な課題として挙げられます。最近では、メンタルヘルスやアレルギー疾患なども保健分野の課題とされています。
体育分野の最もわかりやすい課題はズバリ運動不足です。運動不足には体を動かすことの楽しさを理解していないこと、どのように体を動かすのか効果的な運動の仕方を知らないなどの要因があります。
ここでは、それらをまとめてオーストラリアにおける課題について整理してみました。
保健分野の課題は2つ、体育分野の課題は1つ挙げられます。
課題は3つ
1点目
オーストラリアの子供たちは年齢に上がるにつれて運動量が減少します。その結果肥満率が高まり、生活全般の幸福感が低下しています。
2点目
食生活に関しては、約60%の生徒が野菜や果物を食べていません。そして約40%がジャンクフードを毎日食べています。
3点目
オーストタリアの東部(シドニーなど)と西部(バースなど)で肥満率に差があり、頭部の方が肥満率が高くなっています。
オーストラリアの保健体育教育制度の特徴
上で挙げた課題を解決するためにオーストラリアでは以下のような教育制度を組み立てています。
日本と同様にオーストラリアの保健体育体育は、「生涯にわたる身体活動の促進」を目標としています。この視点は重要で、学齢期だけではなく一生を通して保健体育のことを考慮しながら人生を歩んでいくことが読み取れます。
そのためには学齢期に運動する意欲を高める必要があるため、体育の目的を「生徒が運動する能力、遊ぶ能力、実行する能力そして健康的なライフスタイルを身につける能力を促進する。」としています。
また、全ての国民が等しく保健体育教育を受けることができるように、2012年から保健体育教育の全国共通カリキュラムができました。(意外と最近の出来事。)そして、すべての州・準州において重要学習領域の構成は体育が約50%、保健教育が約50%となっています。
その中でカリキュラムは個人の成長に焦点を当て、個人の運動能力向上を推進しています。
その一方で、数字や読み書きのテスト中心教育を推進するような環境のため、学校での保健体育教育の地位は低くなっています。
オーストラリアの保健体育教育制度の概要
日本の保健体育教育は主に競技スポーツを通した体育教育をしたり、他の教科と同様に評価を行ったりしています。これらのことは世界的には普通のことでないこともあります。競技スポーツをしていなかったり評価をしていなかったりする場合もあります。
今回はオーストラリアの保健体育教育制度の概要を少しだけ書きます。
オーストラリアの体育は長い伝統があり、ドイツ語圏の近隣諸国(ドイツ、スイス)のいくつかの教育モデルの影響を受けています。交流が盛んだった影響で教育モデルを参考にしたようです。
小学校(幼稚園からYear6)では、日本と同様にいわゆる担任の先生が体育を担当する場合が多いです。そして、中等学校(7年生から10年生)では、専門の教師が体育を教えています。
体育の授業数は学校によって異なり、小学校では平均77分、中学校では平均120分の授業時間を確保しています。ちなみに、学校が自律的に時間数を増やすことができる。
競技スポーツ種目の概念に基づいて枠組みを作り、そこから指導内容が選択されており、特に基本的な運動技能に重点が置かれて指導を行っています。
オーストラリアの保健体育制度の課題
ここからは私の考察です。
国連の情報で全世界的に肥満の人が増えてきており、いわゆる生活習慣病が蔓延しているという情報をよく見ます。オーストラリアもその例に漏れず肥満の若者が増加傾向のようです。
食料をしっかり確保できなかった時代に比べ、今は余裕があり炭水化物を多く摂取できる時代の弊害がオーストラリアでも出ているようですね。
書いた内容からも食習慣が良くない傾向であることがわかります。
また運動量が減少しており、若年段階からの食習慣の改善と運動習慣をつけることが必要になっています。
オーストラリアでは日本と同様に「生涯にわたる身体活動の促進」を目標としています。学齢期だけではなく「生涯」に渡って健康を保つために保健体育教育を行っているんですね。
その一方で保健体育教育の地位は低く試験中心の学校制度の中で大切な教科として扱われていないようです。
生涯にわたって必要な科目であるにもかかわらず目の前の試験という課題があるために地位が低くなってしまっている。
日本でも同様な思想がある感じがするので、この考え方は世界的に共通なのかもしれません。
体育で得た運動技能をテストしたりするのは、スポーツ系の高校や大学に入るときぐらいでしょうし、地位そのものをあげるのは時間がかかる気がします。
児童生徒よりも教員が保健体育教育の重要性を認識し、授業をより良いものにすることが望まれます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
この【3分で読める】シリーズはこんな感じで各国の保健体育教育制度についてまとめていきます。
それではまた。
ほなね〜!
参考文献
Physical Education & Health: Global Perspectives & Best Practice (2014-09-01)